Zaini Milano(ザイニ・ミラノ):

ペルージャ生まれのペルジーノ(Perugino)、トリノ生まれのカファレル(Caffarel)、ボローニャ生まれのマイアーニ(Majani)など、イタリアにはゆうに100〜200年もの歴史を持つ老舗チョコレートメーカーが数多く存在するが、意外にもミラノ生まれミラノ育ちのチョコレートは少ない。


リナシェンテなどの百貨店やイータリーといった高級食材店、さらには日常で使うスーパーマーケットでも、これらの老舗チョコレートをミラノにいながらして購入することができるため、私たちは、そのような都市のルーツを深く考えることなくチョコレートを手にすることができている。


ところが、ザイニ・ミラノ(Zaini Milano)は、1913年、ミラノのカルロ・デ・クリストフォリス通り(Via Carlo de Cristoforis)に店を構え、今も変わらず営業を続けている。


2018年現在、創業105年を迎えたザイニ。

その店内は、カウンター、販売ブースとともにとてもシックで、商品のディスプレイにも趣とセンスを感じる。


ザイニは、どのようにして展開してきたのだろうか。


1913年、ルイージ・ザイニ(Luigi Zaini)とその妻のオルガ(Orga)が、今もその場所にザイニ店舗があるカルロ・デ・クリストフォロ通りに工房を構えた。

当時は、煙突の付いた3階建ての建物で製造を行っていた。

この工房で働く女性たちは、入念に、一つ一つ細やかな仕事でチョコレートの包装まで行っていたのであった。

背景としては、第一次世界大戦(1914-18年)により男性が徴兵され、参戦国は、人出不足に陥ったことから、女性たちが外に出て働くということが必要とされた。

その後、女性は家を守るという伝統的価値観から、外に出て一家のために働く女性、またその女性のための仕事が徐々に増えていったのであった。

ザイニのような中規模なチョコレート工房は、そのような女性にとって働きやすい職場であったのであろう。


またザイニは、創業以来、流行を取り入れつつも、凝ったデザインのポスターやパッケージデザインを採用し続けている。

その歴代の商品やポスターは、カラフルでまるでファッション雑誌のようである。


1938年、創業者のルイージが亡くなった後も、妻のオルガは、経営者として尽力し、二人の子供たちを後継者として育てた。


時代は、第二次世界大戦(1939-45)により、ヨーロッパの政情が不安になっていた頃。

このような戦中戦後の時代を乗り切ったザイニは、戦後も美しいデザインのチョコレートを生み出し続けた。

1963年、創業50周年を迎えた頃には、オルガの息子二人は立派な後継者として育っており、以降、2代目ザイニが会社の指揮をとった。

1990年代には、オルガの孫にあたるルイジとアントネッラが3代目ザイニとなり、今に至るまで美しいパッケージと様々なバリエーションのチョコレートをミラノの街で生み出し続けている。


カウンターでは、チョコレートの他、コーヒーやホットチョコレート、アルコール、パスティチーノ、軽食、ジェラートを味わうことができる。


最近、開発が進むガリバルディ駅とポルタ・ヌオーヴァ(Porta Nuova)の近くとあって、近隣で働くスーツ姿のビジネスマン・キャリアウーマンも多く訪れる店である。

平日のいつの時間帯に行っても人が途切れることのないザイニ。

街の人は味に正直である。

ミラノの人々に愛され続けるザイニ、チョコレートが好きな方には特にお勧めしたいお店である。





《店舗情報》

ザイニ・ミラノ(Zaini Milano)

住所: Via Carlo de Cristoforis 5, 20124, Milano, Italy



電話番号:+39 2 6949 14449

公式サイト:zainimilano.com(日本語ページあり)

公式Instagram:@zainimilano

営業時間:月曜           7:30-20:00

                 火曜-金曜 7:30-21:30

                 土曜         9:00-21:30

                 日曜            9:00-19:00


PIUMA

絵:桐佳(@hatakekrk

文:増永菜生(@nao_msng


PIUMA

ミラノより楽しい街歩き。 絵/ 桐佳(Kirika) (Instagram: @hatakekrk) 文/ 増永菜生(Masunaga Nao) (Instagram: @nao_msng)

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